リウマチ・アレルギーシンポジウム Part2
10:00〜12:30
タイトル“喘息死に与える吸入β刺激薬、吸入ステロイド薬の影響”

講演者: 高橋 清
卒業大学: 岡山大学医学部
現職: 国立療養所南岡山病院病院長
現在の研究テーマ: アレルギー疾患の発症予防/難治性喘息の解明と治療/化学物質過敏症の臨床研究
出版物: 症例に学ぶ気管支喘息治療 「専門医のみるポイント61+α」(編集・共著)
絶対に避けなければならない喘息死には、多くの要因が重複していることが多い。例えば、重症度、医療環境の不備、薬物、合併症等に加えて、喘息の基本薬であるべき吸入β2刺激薬の過度依存が問題となる。本講演では、喘息死に及ぼす吸入β2刺激薬と吸入ステロイド薬について解説する。
(1)吸入β2刺激薬 本薬剤は急性発作の第1選択薬として、喘息死を防ぐ重要な役割を担う。一方、フェノテロールs吸入剤の使用により喘息死が増加したとの1990年の報告(ニュージーランド発)以来大きな社会問題となった。その後我が国も含めて多くの検証がなされ、フェノテロールに限らず本薬剤には抗炎症作用がないことから、長期に過剰使用すると症状が不安定となり益々使用量が増え、悪循環を形成して喘息死のリスク要因になり得ると結論されている。
(2)吸入ステロイド薬 抗炎症作用薬の代表である本剤の使用によって、症状の重篤化が阻止され入院回数・日数も減少し、さらに喘息死を減少させる多くの報告がある。一方、使用しなければ喘息死の危険度が増加することも事実である。
(3)両薬剤の相互作用 β2刺激薬は、単独では薬剤耐性が生じて症状や病態に負の作用をもたらすが、ステロイド感受性(GCR)を高める作用もある。一方ステロイド薬は、β2-受容体を増加させてβ2刺激薬の作用を増強させると共に気道過敏性を改善させるなど、β2刺激薬のデメリットを補完する。
従って、吸入β2刺激薬を長期連用する際には、吸入ステロイド薬等の抗炎症薬を併用することが症状の改善や喘息死の阻止に繋がる。
わが国の喘息死の推移と現状
松井 猛彦(都立荏原病院小児科医長)
喘息死に与える吸入β刺激薬、吸入ステロイド薬の影響
高橋 清(国立療養所南岡山病院内科・病院長)
喘息死を防ぐための患者教育、母親教育、公教育の重要性
森川 昭廣 (群馬大学小児科教授)
わが国の喘息発作救急対応の実態と将来構想
上田 暢男(愛媛県立中央病院呼吸器科 副院長)

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