リウマチ・アレルギーシンポジウム Part2
10:00〜13:00
タイトル“SLEにおける妊娠と出産”

講演者: 竹内 勤
卒業大学: 慶応義塾大学医学研究科大学院卒業 (昭和59年9月)
現職: 埼玉医科大学総合医療センター第2内科 教授
東京歯科大学 非常勤講師
慶応義塾大学 非常勤講師

SLEにおける妊娠・出産に関しては、これまで悲観的な考え方が支配的であった。しかしながら、SLEの治療は以前とは比べものにならないくらい進歩している。同時に、産科的診断・治療ならびに新生児ケアについてもその進歩はめざましく、SLEの妊娠・出産を取り巻く環境は格段に向上した。このような理由から、SLEすべての人が妊娠・出産をあきらめていたという時代は終わった。現在では、ある条件を満たせば妊娠・出産が可能となったのである。

本セミナーでは、妊娠・出産の条件、妊娠しやすさ、妊娠の経過、生まれてくる赤ちゃん、妊娠が病気に及ぼす影響について解説する。
妊娠・出産を許可する条件は、一般的には、1.活動性のないこと、2.腎障害がないか、あっても軽度であること、3.ステロイド薬が維持量に達していること、4.高血圧がないかコントロールされていること、などであるが、その詳細は各施設によって多少異なる。治療薬を継続して服用しなければならない場合には、それが胎児に影響を及ぼさないことも条件となる。

妊娠する力(受胎率)は、SLEの人と一般の人では差がないことが示されている。しかし、妊娠した後、自然流産、子宮内胎児などによって、妊娠の継続ができないことがある。血液中に抗リン脂質抗体が陽性の人では、その確率が高くなるとされている。

多くの報告では、出産までこぎつける率は60〜70%で、出産に至った場合、早産になることも多い。その割合は、全体の5〜30%とされている。

生まれてくる新生児に、お母さんと同様の発疹、関節炎や、不整脈(心ブロック)、黄疸が出現することがあり、新生児ループスと呼ばれている。お母さんの血液中に抗SS-A抗体、抗SS-B抗体があるケースに起こりやすいとされ、この抗体が胎盤を通って赤ちゃんの血中に入り、症状を起こすと考えられている。しかし、この抗体を持っているSLEのお母さんから新生児ループスの赤ちゃんが生まれる確率は非常に少ない。

妊娠・出産を契機にSLEの活動性が増す人の割合は約30%ともいわれるが、多くは関節炎などの軽い症状で、ステロイド薬の調整でコントロールでき、腎に障害がなければその経過は良好とされる。
SLE合併の妊娠・出産について教室での具体的な例を紹介し、問題点などを整理したい。

SLEの患者数および予後は果たして変わったか?
小池 隆夫(北海道大学第2内科 教授)
SLEの病気の原因はどこまでわかったか?
山本 一彦(東京大学アレルギーリウマチ内科 教授)
SLEを早くから診断するためのこつ
橋本 博史 (順天堂大学膠原病内科 教授)
ステロイド剤をうまく使うこつ
田中 良哉(産業大第一内科 教授)
免疫抑制剤をうまく使うこつ
三森 経世 (京都大学臨床免疫学 教授)
SLEにおける妊娠と出産
竹内 勤 (埼玉医科大学総合医療センター第二内科 教授)

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