平成16年度厚生労働省免疫アレルギー疾患予防・研究推進事業 リウマチ・アレルギーシンポジウム
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河野 陽一 千葉大学大学院医学研究院 小児病態学教授
幼児・小児の家庭における治療と改善策について

抄録 略歴
アトピー性皮膚炎の発症に関わる要因を考えると、
1)アトピー素因また外部の刺激から皮膚を守る生理的な機能の異常、
2)食物、ダニなどアレルゲンによる特異的刺激、そして汗、乾燥など非特異的刺激といった宿主側と環境側の要因に大きく分けられる。

家庭における対策は環境の問題の改善が主体となる。

健常な皮膚は水分により柔軟性や潤いが保たれているが、生後3か月頃から学童期まで皮脂の分泌量が少なくなり、小児は成人に比べて皮膚の水分保持能が低い。

アトピー性皮膚炎の患者では皮膚の乾燥とバリア機能の異常のためにさらに外部からの刺激に極めて弱い。

そこで、アトピー性皮膚炎の治療として、ステロイド軟膏を中心とした外用薬療法に加えて、ワセリンなど保湿剤によるスキンケアが大切な位置を占める。

非特異的な刺激として汗は主要な増悪因子であり、学童に日1回のシャワー浴を行うことで、アトピー性皮膚炎が改善することが指摘されている。

アレルギーを引き起こすアレルゲンについては、小児では年齢により特徴がある。

乳児期には食物アレルゲンに対する特異IgE抗体が高頻度で検出されるが、2-3歳頃になるとダニなどの吸入アレルゲンに対するIgE抗体に入れ替わる。

また、食物アレルギーは乳児期に発症する率が高く、2-3歳頃に耐性を獲得するケースが多い。

アトピー性皮膚炎患者を個別で追うと、乳児期と幼児期では患者集団が異なっていることが示されており、これは乳児期と幼児期ではアトピー性皮膚炎の病態が同じでないことを示唆している。

食物アレルギーの症状で最も高い頻度で認められるのは皮膚症状であり、乳児期のアトピー性皮膚炎の病態には食物が重要な役割を担っているのに対し、その後はダニなどの吸入あるいは接触アレルゲンが主要な役割を担うと考えられる。

以上の所見は、年齢別にアトピー性皮膚炎の悪化因子を解明し対策を立てなくてはならないことを示している。 
卒業大学
1973年 千葉大学医学部卒業
現 職
文部科学教官 千葉大学教授大学院医学研究院(小児病態学)
学会活動ほか
日本小児科学会、日本アレルギー学会、日本臨床リウマチ学会、日本免疫学会、日本内分泌学会、日本小児リウマチ学会、小児医学教育研究会、日本シェーグレン症候群研究会、日本臨床免疫学会、日本リウマチ学会、日本小児感染症学会、The American Association of Immunologists,Collegium Internationale Allergolocum、厚生労働省食品衛生調査会、バイオテクノロジー特別部会「組換えDNA技術応用食品等の安全性評価に関する分科会」

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