平成16年度厚生労働省免疫アレルギー疾患予防・研究推進事業 リウマチ・アレルギーシンポジウム
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大矢 幸弘 国立成育医療センターアレルギー科医長
確かな情報に基づく薬物療法と心理療法について

抄録 略歴
1. 確かな医療情報とは
ある薬を1000人の患者さんが使って100人が治ったとしても、もしその薬を使わなければ1000人のうち200人が自然に治ったかもしれません。ですからその薬を使った方と使わなかった方とで治った割合を比較しなければ本当に効くのかどうかは証明できません。特にアトピー性皮膚炎のように自然に良くなったり悪くなったりする病気では、きちんとした方法で比較することがとても重要です。そこで、今回は信頼性の高い比較法によって効く事が証明されている治療法についてご紹介します。

2. アトピー性皮膚炎の薬物療法
日本の医師が処方することができる薬のうちアトピー性皮膚炎に効果が証明されているのは、ステロイドと免疫抑制剤です。これらには塗り薬があり多くのアトピー性皮膚炎の患者様に使われています。特にステロイド外用薬には長い歴史があり、効果も副作用もよくわかっています。しかし残念なことに、強さ(5段階あります)が合っていなかったり適切な使い方をしなかったために効かなかったり副作用がでたりした方もいます。効く薬には副作用はつきものですが、最近の研究では、どのようにしたら副作用を避けてステロイドの塗り薬を使うことができるかがわかってきました。また、新しく登場した免疫抑制剤の塗り薬にはステロイドの塗り薬のような副作用がありませんが、使い初めに刺激感があります。保湿剤には治す力はほとんどありませんが、アトピー性皮膚炎のお肌を守るためには欠かせないものです。また、抗アレルギー剤の一部には痒みを減らす効果があることもわかってきました。

3. アトピー性皮膚炎の心理療法
ストレスでお肌が悪くなったり痒くなったりする方、また、掻く癖ができてしまって自分では治せなくなった方には、それぞれにあった特定の心理療法を用いると短期間で改善できることがわかってきました。

4. アトピー性皮膚炎を克服するために
薬を塗れば治るというような単純な病気ではありません。現代人の文明生活と結びついたライフスタイルが大きく影響する病気です。環境や生活習慣の見直しを含めた総合的な取り組みでこの病気を克服しましょう。
経 歴
1985年 名古屋大学医学部卒業
1985年 半田市立半田病院研修医
1986年 名古屋大学医学部小児科
1991年 国立名古屋病院小児科
1995年 国立小児病院アレルギー科
2002年 国立成育医療センターアレルギー科
専門分野
小児アレルギー学 小児科学 行動医学
対象疾患
気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなど小児アレルギー疾患全般
日本アレルギー学会 認定指導医
日本小児科学会 認定医
日本心身医学会 認定医 

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