“アトピー性皮膚炎の正しい知識・治療法について―スキンケア・外用治療から眼症状・食物アレルギーまで―”のシンポジウム開催に当って
平成12年度から14年度にかけて実施された厚生労働科学研究事業におけるアトピー性皮膚炎疫学調査研究班の研究結果によると、我が国におけるアトピー性皮膚炎の有病率は、4ヶ月児12.8%、1歳半児9.8%、3歳児13.2%、小学1年生11.8%、小学6年生10.6%、大学1年生8.2%であることが示されました。すなわち小児から思春期にかけてほぼ10人に1人がアトピー性皮膚炎に罹患していることになります。アトピー性皮膚炎については、その発症機序・病態について未だ不明の点が多く、治療法・予防法についてもまだ十分確立されているとは言い難い面があります。従っていわゆる民間療法といった科学的根拠のない怪しげな治療法が入り込む余地の多い疾患でもあります。そのような現状の中で、厚生労働科学研究免疫アレルギー疾患予防・治療研究事業においては、アトピー性皮膚炎に関しての病態発症機序の研究をはじめ、科学的根拠に則った治療・予防・管理法の研究を進めております。それらの研究の結果から現時点での最良の診断・治療・管理の指針としてのガイドラインを作成し、逐次科学的根拠に則った新しい知見を取り入れて改訂を行なっています。ガイドラインは医療を提供する側としての医師のみならず、実際に薬剤やスキンケア等の治療や環境整備等の予防法を実践する患者さんやそのご家族に理解していただき、実践していただくことが重要なのです。本シンポジウムでは、我が国のアトピー性皮膚炎研究、診療において指導的役割を果たされている3名の専門家にそれぞれの立場で多角的な視点からアトピー性皮膚炎の診断・治療に関する最新の知見についての講演をしていただき、その後のパネルディスカッションで皆様からのご質問にお答えしていきたいと考えております。参加された方々が、このシンポジウムによりアトピー性皮膚炎についての新しい情報を得て、今後の治療・管理に役に立てていただくことを祈っております。 |